2012年5月6日日曜日

被災地ーSANEーエクアドルを結ぶ防災という課題

3月に行った奨学生ワークショップの感想文については、このブログでも触れてきましたが、今回はカヤンベで行ったことをきっかけに新しい動きが始まるかもしれないというお話をします。

カヤンベに住むアンドレアという、現地組織のSOJAEでボランティアとして奨学生に接してくれている元奨学生(現在大学生)から、次のような手紙が送られてきました。手紙の最初に書かれているのは、今回エクアドルの若者たちにメッセージを送ってくださった飯能と鎌倉に住む6人の方への感謝の言葉です。

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最初に、多くの命を失い、心の奥深くを空洞にするような、深刻な被害があったにもかかわらず、証言、感情、経験を共有して下さった皆さんに心から感謝申し上げます。起きたことを語ることは、困難を再体験することであり、けしてたやすいことではないと知っています。

私はワークショップでの杉田優子さんの質問に答えなくてはいけないと考えています。最初の質問は次のようなものでした。『もしエクアドルに大きな災害があったら、あなたたちはどうしますか。』私達の国でも長い歴史の中で大きな地震が何度もあったにもかかわらず、正直言ってそれは大変答えるのが難しい質問でした。それは日本で起きた今回の地震とは比較にならないかもしれませんが、重要な事はこの質問が、私達にまだ津波や地震のような圧倒的な災害への準備ができていないことを教えてくれたことでした。そして、私の個人的な答えは、まだ、少なくとも完全には、このような状況に対応する準備はできておらず、こういったことについての情報は大変一般的なものでしかないということです。一方、エクアドルの規定による建物のインフラや、いくつかの地域は、自然の災害に対して危険が増しています。特に今年は、エクアドルの海岸地方で、洪水で多くの物的、人的被害を出しました。(写真:ワークショップにて。左から3人目がアンドレア)

2番目の質問『このような災害が起きることを防ぐために何ができるのか』については、常に私達の回りに起きている現実に敏感になることはまだできていないと考えます。けれどもそれは当局も市民も取り組むべき活動です。私たちすべてが問題に関わるわけですから。多くの場合、こういったことは人間が毎日のように原因となって起こしている汚染によるものも多いからです。ですから緊急の事態に備えてみんなが行動できるように関わっていかなくてはならないでしょう。

一方、私はこの文を覚えておくことは重要だと思います。それは、人間はこの地球の客人であり、これを壊す権利はないからです。自然は私達抜きで存在することができるが、私達は自然抜きでは存在できない

最後に、私はすべての日本国民の皆さんに、このような逆境において、闘っていく見本を示して下さっている事に対して、祝福したいと思います。それは私達に、私達が遭遇する困難な状況を良くしていくための小さな何かをすることはいつでもできるということを教えてくれています。そしてもっとつらい何かが起きた時に、連帯すること、友情、勇気は私達が立ち上がるのを助けてくれるだろうということも教えてくれています。

エクアドルからたくさんの愛をこめて、がんばれ日本!
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アンドレアによると、防災について準備ができていないというエクアドル。この国も日本と同じように地震が多く、SANEは大地震をきっかけにして設立された会でもあります。
彼女の言葉から、今回の震災から学んだことを、エクアドルで活かせないだろうかと、防災プログラムがエクアドルでできないかという声が上がっています。飯能には全国で活躍する防災コーディネーターの方も住んでおられ、関心を持って下さっています。被災地からも協力をお願いできないだろうかという声も。この分野の海外協力にご経験、ご関心のある方がいらっしゃったら、ぜひご連絡ください。
つながれ、日本とエクアドル。

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