2014年1月31日金曜日

SANEの国内事業はどのように動いている?

SANEの総予算額は約560万円。国際支援をしている組織としてはけた違いに少額です。このうち現地送金額は487万円(87%)、現地出張費が20万円(3%)で、両方合わせると約90%になります。これ以外が国内事業費で、54万円弱です。
この少額で国内の事業が動いているのには、理由があります。
一つは、無償ボランティアの大きな支えです。もう一つは経費のかかるイベントやフェアトレード事業をSANEの組織の外に出して自立採算にしているからです。

無償ボランティアの大きな支えとは、次のような活動です。
*事務局
コンサート実行委員会はほぼ事務局メンバーが中心です。みなさん多忙な中を縫って協力者を増やしながらチケットを売ったり、SANEの事務を行っています。25年間1度も休むことなくコンサートをやり続けてきた、音楽に関する『専門性』と、楽天主義はなかなか他には見られないでしょう。飯能にワールドミュージックを楽しむ機会を提供し続けてきました。今年もそうですが、普通なら飯能に呼べないような音楽家をお呼びしているのも特徴です。
でもそろそろコンサート活動も後継者が育たなければ難しいところにあります。ステージ作りもコンサート運営も高い専門性を持っていながら引き継がれないのは残念なことなのですが・・。

*翻訳
現在35組の奨学生とその文通相手の日本人が毎月の手紙交換を楽しんでいます。これを支えているのは翻訳者たちです。この方々の中には、スペイン語に関わる研究者から初学者でありながらネイティブの協力を得てがんばって訳しておられる方まで多様な人々がおいでです。すべて無償でやってくださっています。まさに、1組の奨学生と日本人会員の心の交流を何年も陰で支えている縁の下の力持ちの方々です。

*会報製作
日本語版とスペイン語版が同時に出るのがSANEの自慢。編集委員の方々は幼いお子さんを抱えながら夜中に会議をしたり、忙しい仕事の合間に翻訳をしたり、記事の決定、編集、校正、表紙絵、さらに印刷、発送まですべて手分けをして無償ボランティアの仕事です。

*事業部会
フルタイムで仕事をしている方々が夜中に事業計画を作成したり、休暇をとって助成金の申請に行ったり。出張も年休をとって行きます。
奨学生事業の方は、やはり忙しいメンバーが朝や夜に時間をとって話し合いの機会を持っています。作業部会には主婦もいますが、毎月集まって色々な悩みを相談する時間にもなっています。
写真は文通作業部会の様子。エクアドルから届いた奨学生の手紙を間違いのないように翻訳者に送ったり、パドリーノス(日本人の文通相手)に送る準備をしています。奨学生部会だよりなども一緒に送ることもあり、普通料金で行くかどうか重さを測ったり、結構細かな仕事もあります。右手前は唯一の有給の事務さん。優秀で良く気がつき、私たちボランティアは助かっています。
  

*物品販売
毎月予約注文販売をしっかり支えて下さっているのは飯能と所沢の市役所、福祉事業所、個人商店、個人のみなさん。もちろん、手間のかかる無添加手作りお菓子を作ってくださるお菓子屋さんも大きな支え。しっかりしたフェアトレード商品を提供してくれるウィンドファームも貢献してくれています。また、民芸品はエクアドルで仕入れ発送してくれているボランティアメンバーがいます。

一人ひとりの力は小さくても、地道に継続した活動が私たちの活動を支えてくれています。
SANEはまだまだこういった力を必要としています。

こういった活動を通して人と人とのつながりをつくり、仕事や子育てに疲れた心をいやしたり、新鮮な視点を提供することもあります。ある職場では『うつなど心の疲れを防ぐために、少し遠くの、違う世界のことを考えたり、非日常的な活動をしてみませんか』とSANEの活動への支援を決めたと聞いています。

仕事以外の、あるいは退職後の社会とのつながり作り、年代を超えた交流、外国を知る新しい機会として、SANEの活動が生きていれば素晴らしいと思います。

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